中国語の漢字を見ると、日本語の意味はなんとなく推測することができます。中国語を全く勉強していない人でも半分くらいは読んで中国文を理解できるともいわれています。

しかし「中国語を音で聞いて、漢字を書いてください」と言われても、なかなかできません。

中国語漢字を覚えるコツをご紹介します。

正しいピンインと発音の仕方を覚える努力が大切

まず大前提として正しいピンインと声調で中国語の漢字を覚える努力が必要です。なぜなら正しく読むことのできない文字を覚えるのはとても難しいからです。

この点を理解するためにこんな状況をイメージしてみてください。

防音ガラスの向こうにいるアメリカ人と筆談するとしましょう。相手は日本語が全く読めず、あなたは英語を書けません。日本語でいろいろな単語や表現を書いてどれほど相手に通じるでしょうか。

数か月数年もすればいくつかの単語は相手も理解することができるようになるかもしれませんが、それでも「日本語が分かる」状態になっているとはまず言えないと思います。言語の文字は発音できなければ、伝えられることはかなり限られてしまいます。

中国語の漢字を見て意味が分かるだけでは不十分で、読み方を理解しなければいけません。ピンインをマスターしなければ中国語漢字は読めません

「-n」と「-ng」の読み方を覚えるコツ

中国語を勉強していてよく間違えてしまうのが「-n」で終わる音なのか、「-ng」で終わる音なのかの区別です。

どちらも「ん」と聞こえるので聞き分けられません。参考書を見ても違いがよく分からないと感じる人もたくさんいます。

そんな時に役立つのは、その漢字を日本語の音読みで読んだときに「ん」で終わるか、「う」「い」で終わるかを考えることです。日本語で「ん」で終わる漢字は中国語で「-n」で終わる音で、日本語で「う」または「い」の音で終わる漢字は中国語では「-ng」で終わる音です。

例えば、「金、銀、班」は音読みで読むと「キン、ギン、ハン」と「ん」で終わります。そのような漢字は中国語読みすると「jin、yin、ban」のように「-n」となります

「銅、行、棒」は音読みでは「ドウ、ギョウ、ボウ」で、中国語読みでは「tong、ying、bang」となります

会話などの聞き取りで「n」か「ng」の違いが分からなくなった場合、その単語の漢字を思い浮かべましょう。知らない単語の漢字を思い浮かべることはできないので、やはりそれ相応の単語量の暗記は不可欠です。

中国語の漢字の構成から発音を推測する

日本の常用漢字は3000字ほどと言われていますが、中国語は6000字ほどあるといわれています。

中国人も6000字以上の漢字を一字一字全部覚えているわけではありません。しれでも中国語簡体字は漢字の構成から読みを推測できるものもあります

例えば「云」は「yún(ユン)」と読みます。では「运」は何と読むでしょうか、答えは同じく「yùn(ユン)」です。

日本語の漢字で書くとそれぞれ「雲」と「運」で、もとは全く違う漢字です。

中国語では上記のようなパターンが意外とあります。

「元」と「园(日本語では「園」)」はどちらも「yuán(ユェン)」と読みます。

「长」と「张」はどちらも「zhang(ジャン)」と読みます。ちなみに「长(日本語では「長」)」の方はzhǎng、「张」の方はzhāngで声調は違いますが、ピンインは同じなのであとは声調だけ覚えれば読むことができます。

日本語では「夥(おおい、おびただしい)」という漢字は、中国語簡体字では「伙huǒ(フォ)」と書きます。これは「火 huǒ」と同じ音なので、音から漢字の形が変更になった例です。

このように中国語漢字の読み方を一字一字すべて覚えきれなくても、知っている単語が増えれば増えるほど読み方を推測して読める漢字は増えていきます